■2004.5.12

 第4回『至福のタオル』

 いつの頃からか、タオル好きになった。百貨店に行くと、たいてい家庭用品売り場に寄って,買う気もないのに値踏みしてしまう。タオル売り場なら軽く1時間はいられると思う。
 
 お金がないひとり暮らしの頃は、タオルの品質なんてどうでもよかった。そこそこ可愛らしい花柄でも付いていればいい程度。今なら赤面してしまうような、大きなブランドのロゴが入った、内祝いなどでもらうタオルも平気で使っていた。

 どんなに外側だけを着飾っていても、内側がぼろぼろなのは貧しいことだと気付きはじめたのは、情けないことについ最近だ。そうして、下着やシーツや石鹸といった、毎日身の回りに触れるものに少しだけお金をかけるようになった。本当に少しばかりだけど。

 ここに紹介するのは最近の掘り出しもの。「KASANE」という名前が付いた井上千鶴さんのフェイスタオルは、私の(低い)鼻がうずもれるくらいふかふかだ。着物「襲(かさね)」からきているのだろうが、ベージュの裏が葡萄色に染められている。その落ち着いた襲の色目も好きだ。浅葱色や群青色もある。一枚2千円だが、小心者の私はまとめて買えず、一枚ずつ何かの機会に買い足している。


 

inoue chizuruさんデザインのフェイスタオ ル。とにかく厚くてふんわり。


オーガニックコットンのタオル。洗ってもごわつかない 綿は心地いい。

 友達で、使い心地やデザインの惚れ込んでいるあるメーカーのものを年のはじめに10枚ほどまとめ買いして、それだけを毎日使いまわし、ちょうど一年で新たに10枚買い足すという人がいる。毎日洗っていると、どうしても繊維がいたむので、一年使ったものは雑巾に払い下げるのだそう。
「タオルは意外に目に付くから、デザインを統一させるためにひとつのメーカーのものだけにしているの」
と、友達はいっていた。たしかに、トイレなり、洗面所なり、タオルは来客の目にも付く。どんなに素敵なインテリアでも、でかでかとブランドロゴの入ったタオルは興醒めするものだ。

 井上千鶴さんのタオルや、マリンコラーゲン入りのタオルで毎朝、幸せな気分で顔を拭きながらふっと思った。
 タオルはいくらかいいものを買うようになったけれど、そのぶん口紅やファンデーションを買う回数は減ったな、と。意識して内側にお金を掛けているのではなく、無意識のうちに外側にお金を掛けなくなったのかも。きっとこの両方のバランスがとれている女性こそを、みぎれいと言うんだろう。


一番上のタオルは、皮膚の保護、保湿、しわ防止効果があるというコラーゲンを繊維に加工した「マリンコラーゲンタオル」。東急ハンズで入手。やわらかな障り心地。
          


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