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おもいやりのかたち

ある美術展の図録制作のお手伝いで、素敵な人たちに出合った。どう素敵かというと、凄い仕事をしてきたのにそれをひけらかさない、目線が誰に対してもフラットで平等で、きどらない。このどれも、年をとればとるほど難しいことである。 そのおひとりは和傘作家で、外国の傘は広げたものをたたむと、濡れた面が外に出るが、和傘は濡れた面が内側にたためるようになるのだと教えてもらった。それは、日本人の思いやりであり、日本人らしい造りなのだとも。しみじみと和傘が欲しくなったのは言うまでもない。

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