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くもりのち晴れ。


高3娘、部活の最後の日。 6年間の最後を飾る数日前に、5人しかいない仲間のひとりが骨折。 その晩、「私が折れればよかった」と悔し泣きし、朝は無言のまま 登校した。 その涙を一生忘れないでほしいし、忘れることなんてないだろうと、しぼんだ背中を見送る。 発表の日、最後の場面で椅子に座って骨折した仲間が登場。 土壇場で構成を変え、助け合って踊っていた。 在校生も、知らない親も、観客の多くが泣いていた。 あきらめちゃいけない、最後まで仲間だからと、ダンス部の5つの白いドレスが教えてくれた。 学校は嫌いだし、お勉強はできなかったけれど、友だちが好きで、表現することが好き。 この子には、心がわさわさするような感動をけっこうもらったなあ、親なんて、子どもからもらってばかりなのだなあと 感慨深く思った。

2025 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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