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コーポラティブハウス

1998年に、知らない人同士で土地を共同購入して、2000年に竣工したコーポラティブハウス。6年住んで、今は知り合いに貸している。入居当時、子どもが二人いるのはうちだけで、階下の人に足音で迷惑を掛けたくなかったのと、そのことでしょっちゅう子どもを叱る生活をしたくなかった。それと、男女の子どもが年々大きくなる事に、思いのほか手狭に感じられるようになったという理由から貸すに至った。だが、借りてくれたのが上階の人だったりして、私も理事をやったり、飲み会があったり、ちょこちょこコーポラティブハウスに訪れているので、遠い感じがしない。先週、その住人が退去することになり、さてどうしたものかと思っていたら別の友達が住んでくれることになった。こだわって建てた部屋なので、知っている人に住んでもらえるのは、このうえなく嬉しい。 点検で久しぶりに部屋に入り、ひとりでぼーっとした。 13年前の自分たち夫婦の精一杯がつまっていて、胸が一杯になった。それ以上いると泣きそうだったので、退散した。いつか年を取ったら夫婦で帰ろう。

2025、1月 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024、8月 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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