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バジルたっぷりサラダ


 酵素は生食からなので、野菜を食べなくてはと、生協や農家から取り寄せては、ちまちましたサラダを作ってはいるが、この夏、実家で作ったサラダにはどの味も負ける。隣の畑にわさわさ育ったバジルとトマトを引っこ抜いてきて、ざーっと洗い、どばっと皿に並べる。バジルは香りが強く、トマトは甘くて太陽の味。実家にこじゃれたチーズなどあるはずもなく、その辺にあったスライスチーズをちぎり、生ハムをばさっ。塩コショウ、オリーブオイルだけで、本当においしくてすぐになくなり、あわてて2皿目を作るために畑に飛び出したのだった。 この畑、ご近所さんから両親が借りているもので、賃料いくら?と聞いたら、「一升瓶1本」。年に1回日本酒を御礼代わりに持っていくだけだという。あー、それもこれも含めて、だからあのサラダは旨いのだ。

2025、1月 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024、8月 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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