プレイバック17歳
開心亭 一之輔ひとり会(六本木 ゆにおん食堂)。聴く度に、もっと聴きたいもっともっとと我慢のきかない大人にさせられてしまう春風亭一之輔さん。 偶然も偶然。〇十年ぶりに高校の隣のクラスの人とこの会で出会う。着物をシャンと着こなすかっこいいグラフィックデザイナーになっていた。 その昔、クラスは違うのに、彼女のいる美術部でお弁当を食べ、フュージョンならこれを聴くと良いよと勧められ、のこのこと自宅についていくと新聞のFM欄は、聴きたい曲につけられた赤丸印でいっぱいだった。聖子だ、サザンだとみなが言っているときに、ひとり、リー・リトナーとか聴きまくっていた。 そして、制服のまま、長野の片田舎によくこんな、と思うような地下に続くかっこいいジャズ喫茶にもつれていってもらった。 今日会ったら、憧れていた高校の先輩が美術評論家になっていたとか、あの子は今ハワイとか、他愛もない話が止まらなかった。もうすっかり忘れていたけれど、私にも青春があったんだなあと彼女のかわらぬ笑顔を見て思いだした。 きけば、一之輔さんの落語会まわりではいろんな偶然や奇遇がつながっているらしい。磁石のようにいろんな人を引き付ける、きっとそういう人なんだろう。それもまた落語家の才能のうちのような気が。 夕食は若林の夕(せき)で。楽しい時間は矢の如く過ぎていくな。