変な間取り
仕事場は五角形である。そもそも、家自体が妙なつくりだ。古ビルの3階で、室内に行き止まりの階段があり、玄関は一人暮らしの大学生のアパートのように狭いのに、仕事場は14畳ある。各部屋の扉は、ガチャンと閉まる防火扉。宅配便のチャイムが鳴っても、見事に聞こえない。息子の部屋には、なぜかはめ殺しのガラスの窓がある。前住人は住まいとして使っていたらしいが、その前は店舗だったのか、住居だったのか謎である。 机の前の窓が異常に大きい。窓が大きいというだけで、雨も雪も夕焼けもキレイに見える。しかし、小さな窓より大きなそれのほうが、夕方に近づくと焦りだす。どんどん日が暮れていくので、原稿を急がねばと慌てるからだ。大きな窓だからって、引っ越したからって、締めきり直前にならないと書かない癖は直らないのだな。