奥飛騨慕情
アウトプットばかりだとひからびるので飛騨高山へ。 マッチ箱のような小さな長良川鉄道の電車が、17年前と変わらぬ姿で走っていた。17年前、真冬にひとりでこの電車に乗り、白洲正子の旅路をたどったのだった。雪で途中で電車が不通になり、ホテルなんてなくて、やっと予約して行ったその宿には、女私1人、橋を作っているおじさんたち30人みたいな旅館。30人の宴会の横で、じろじろ見られながらご飯を食べたのだっけ。意気込みだけでのりきった1人旅の仕事は『
別冊太陽 白洲正子の旅』。 すっかりおばさんになった私の今回の旅は、食っちゃ買い、買っては食い・・・。ひからびるのは防げたかもしれないが、体も感性もふやけてのびきっただけな気がする。 みたらし団子の味がまったく変わっていなかった。1本70円。「日頃の御礼に」と安部巨匠に奢ってもらった。「きなこもつけてデラックスにしてあげる」と。やっすい御礼だなー。