届かなかった手紙ふ
原爆を開発した約3000人の科学者のうち、ユダヤ人を中心とした70人が 無差別無警告にヒロシマの住宅地に原爆を落とすべきではないと 大統領宛に署名をし、軍事郵便で配達された。 しかし、その手紙は上層部の作為で トルーマンには届かなかった。 訳された署名の文章は 職を賭して強く投下禁止を訴える、魂のこもった内容だった。 2017年、私はアメリカに渡り、 90代の署名科学者らに取材。 署名の行方と、アメリカでの原爆の捉え方の今を追った。 しかし、そんな科学者やその関係者をもってしても、最後に誰もがこう言った。 「でも、原爆がなかったら戦争は終わらなかったでしょ?」 アメリカの教科書にもそう書かれている。 日本軍がアジアでしたこともまた。 原爆を落としたかった人は誰なんだろう。 原爆の日。是非ご一読ください。 『
届かなかった手紙』 〜原爆開発「マンハッタン計画」科学者たちの叫び 〜 大平一枝著 (角川書店) ※カバーは署名の複写です。装丁は松田行正さん
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