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昭和の作法

小津や成瀬巳喜男の映画をまとめて見ていて、やっぱり昭和の言葉は気がきいていていいなと思う。「ちょいとばかに気前がいいじゃないか」なんて最高だ。「ちょいと」と「ばかに」がセットになると昭和風味が倍増する。「なんですか不意に」の「不意に」もいい。 お父さん役の笠智衆が、夜遊びの過ぎる娘を説教するとき「ちょいとここにおすわりよ」とまずこたつの座布団を勧める。説教にもちゃんと作法があった。今度、子どもたちを叱る前にそんな風に言ってみるか。・・・あ、うちにろくな座布団がなかった。

2025 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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