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時間はいじわる

かぶりつきでキョンキョンのドラマを見ているのだが、ある同年代の友だちが「ドラマを毎週楽しみに見るのって40代以降なんだって。それより下はもうそういう習慣ないんだって」とのこと。たしかに、娘も息子も、「ユーチューブ見るからいいや」と、好きな番組見逃しても、けろっとしているもんなあ。バブル世代はテレビと雑誌がひどくお好き。 新入学、入園の季節。働きながら育てるのに四苦八苦している編集者ママたちはみんな泣きそうになりながら、やりくりしている。そんな時間もすぐ過ぎ去ってしまうのよと、どんなに言葉で伝えても、目の前の子は小さいまんまだもの。信じたくても信じられない気持ちもまたわかるのでもどかしい。 あっという間に子どもは育ってしまうという原稿を書いて納品したら、「今、泣きながら読みました」と若い編集さんからメールが。お子さんは小3と5歳だそう。ああ、ここにも。 時は平等に流れているはずだが、こと子育てに関して、時間はいじわるだ。気がついたときには、大事な時間は指からこぼれ落ちている。いつだって、その時間がどれほどかけがえのないものだったのか、あとから気づくのだ。

2025、1月 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

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