top of page

海よりもまだ深く

是枝監督の新作『海よりもまだ深く』がとんでもなくよかった。『海街diary』もよかったがその何倍もシンパシーを感じた。寅さん映画のようなあたたかさとユーモアが、ミルフィーユのように、家族のおかしみと切なさの中に挟み込まれていて 是枝監督にしか描けない世界だなあ、と。 爆発や地球滅亡やおとぎの世界の実写や過去のリメイクや100万部の原作や輝くトップスター(樹木希林や阿部寛さんはもちろん随一の映画俳優さんであるけれども)がいなくても、人の心を動かす映画は作れるとこの作品が教えてくれる。ああこの配役ね、という安定感がもたらす予想をはるかに上回る怪演をみながやりきっていて、圧倒された。もう一度みたい邦画に久しぶりにであった。

2025、1月 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024、8月 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

00:00 / 05:15
Gradient_edited_edited.jpg

© 2024  暮らしの柄 大平一枝  Kazue Oodaira , Design Izumi Saito [rhyme inc.] All rights reserved.  

bottom of page