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消えた記憶

学生寮の同窓会で愛知へ。 荒涼とした駅に降り立つと、あの頃と変わらぬ吹きっさらしの風が吹いていて、一気に記憶が10代に。 後輩「ボランティアで草刈りをしていて、藁の山に先輩(大平)が差し歯を落とし、みんなで探した。 私が見つけて拾ったら、 “ 人の汚い差し歯を手で拾うなんて、お前はなんていいやつなんだ!!この恩は一生忘れない” と手を握って言ってくれんだけど覚えてます?」 「そんなことあった?」 「やっぱりね。そんな人だと思ってましたよ」 差し歯を飛ばしたエピソードが他にも色々でて きて、私の記憶は差し歯しかないのかと呆然とした。

2025、1月 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024、8月 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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