消えた記憶
学生寮の同窓会で愛知へ。
荒涼とした駅に降り立つと、あの頃と変わらぬ吹きっさらしの風が吹いていて、一気に記憶が10代に。
後輩「ボランティアで草刈りをしていて、藁の山に先輩(大平)が差し歯を落とし、みんなで探した。
私が見つけて拾ったら、
“ 人の汚い差し歯を手で拾うなんて、お前はなんていいやつなんだ!!この恩は一生忘れない”
と手を握って言ってくれんだけど覚えてます?」
「そんなことあった?」
「やっぱりね。そんな人だと思ってましたよ」
差し歯を飛ばしたエピソードが他にも色々でて
きて、私の記憶は差し歯しかないのかと呆然とした。