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生きていれば。

がりがりと朝の締め切りに向かって深夜、眠い目をこすりながらパソコンに向かっているとき、宝物みたいな言葉がメールにのって届いた。 生きていて良かったと思うような、心の晴れる出来事だった。 先日、息子が塾で教わった先生が自ら命を絶ち、彼を偲んで母親たちで雪見酒をした。若くて、きれいな顔立ちをした人だった。塾講師の傍ら、ヒット曲を書く作詞家でもあった。あの先生の夢はなんだったんだろうと、息子のような年齢のその人を偲び、私たちは昼間から杯を傾けた。 ふっと思った。生きていれば、生きてさえいればあの人にだって、いいことがあったに違いない。来年生ききれる自信がなくても、明日生き抜けるくらいの元気をもらえる小さな嬉しい出来事は、生きてさえいれば誰にも何度かあって、そういう小さなことに支えられて人はどうにかこうにか、この息苦しい世の中を歩いてゆけるのではないか。先生、なんで?嬉しい気持ちと切ない気持ちが一緒くたになって変な興奮状態のまま、気づけば朝焼けを迎えていた。

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