記憶に残る仕事、インタビュー
臨月まで働いた編集プロダクションから独立して24年。一番多かった仕事はインタビューだ。どの方が印象的でしたか、と、昨日、ふいに聞かれた。 今年で言うなら、『報道ステーション』キャスターの小川彩佳さんだ。取材は1月10日。 誇張をしない。読み手の知りたいことに応える。どこにも話していない本音やエピソードを引き出す。もう一度、ライターの原点に戻って、丁寧に仕事をしようと自分に誓った、今年最初の仕事だ。 男社会のなかで、昨日の傷は自分で直し、あっちこちに頭をぶつけながら、必死で働いている等身大の女性がそこにはあった。もっと正確に、報道姿勢や能力を評価されるべき人だと率直に感じ、一歩引きながらそれを書き込んだつもりで、自分でも忘れられない仕事になった。 上半期だけでも、世間では政界と記者のパワハラや、未曾有の災害が起きた。 言外に滲む誠実を求めて、毎晩奮闘している。そんな彼女との仕事を思い出したので、僭越ながら再掲する。 小川彩佳さん「わたしの立ち還る場所は、いつも心の奥底に」 (テレビ朝日 アナウンサー)