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風が吹きぬける部屋


朝日新聞デジタル『東京の台所』で、初めて読者の方の家を訪ねた。暑いのに、三方向の窓から風が入る、何とも居心地のいいマンションの1室だった。帰り道、「駅までの道はつまらないから」と、遠回りだけど面白い谷中の路地を案内してくれた。1本の路地に、現役の井戸が二つもあった。ああ、住みたい・・・。これだから、谷中と高円寺はなるべく近寄らないようにしていたのだ。行ったらきっと迷宮のようにはまって、どうしようもなく住みたくなる気がするからだ。ほんの少しだけ、下北沢と似た匂いがすると思うのは私だけか。 その人の煎れてくれた麦茶がめちゃくちゃおいしくて4杯おかわりしたら、最後に「あの、これ持っていって下さい、私はいつでも買えますから」と、輪ゴムで縛った残りを袋ごとを全部下さった。コツは、沸騰したらすぐ火を止めることと、ティーバッグに入っていない昔ながらの粒のままを買うことだそう。それにしても人んちでおかわりしすぎだ。申し訳なさ過ぎだ。 記事『

2025、1月 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024、8月 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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