魅惑の2冊
こんな面白くて読みやすい内容の本、こんなカタいタイトルにしない方がいいのになあ。すらすら読めるけれど、おっとまてよ、なになに?と、もう1回立ち止まって読み直したくなる深いフレーズがあちこちにあり、意外に読了に時間がかかる。これがオトクだ。
原 研哉さんがトヨタと日産とホンダのデザイン部門の人と話し合って、世界中で一番スバラシイと決定した車が、ダイハツ「タント」だそう。車は走る都市細胞とか、文章までクールにデザインしている。
繊細で緻密で、日本のデザインってすごいじゃんと読了後に素直に思える。自分の手柄でもないのに、いいようのない誇りで心が満ち足りる。ちょっと幸せな気持ちになれる、新しいタイプのデザインの本だ。
風呂場で読了。写真家やデザイナーの多くは、目で見たものや気持ちを文章というカタチに変換するのが上手い。上手く書こうとか、セオリーとか関係なしに、自由な感覚で言語化している感じが読んでいて気持ちがいい。 1冊の本をひきあいに、これでもかというくらい、装幀の豊富なバリエーションを試みていて、そのコメントがまたイカしている。デザイナーの脳みその中を覗いた気分になれます。