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予約開始






昨年の締切の或る晩、200ページ余り書きあげた原稿を送信する直前になって、頭を抱えこんだ。


自分の思うクオリティに全くなっていなかったからだ。



‘24年は、たまたま著書が重なる。


しかし、読者が、ひとりの書き手に払えるお金は限られている。


いくつか出るなかで


これも買ってよかったと思っていただけるものになっているか。とてもイエスと言えない。



結果、深夜に出来損ないの原稿を添え、


このような情けない有り様で、全て書き直す覚悟でいるので


発売を数ヶ月伸ばしていただけないかと打ち明けた。



約束を守れないダメな書き手として


信用を失うだろう。


それでも、こんな作品を世に出したら


読者に失礼になり、私はもっと大きなものを失うとわかった。



編集者は、原稿を読み実はこちらからもそうお願いしようと思っていたところだと言い、穴があったら入りたかったが、鉢巻を締め直す。


まるっと捨てるものは捨て、もっと踏み込んだ内容を書き足し。


納得できる224ページに仕上がった。



いつも、良くも悪くも私の仕事を批評しないカメラマンの安部まゆみ  @avecabe がリライト原稿を読んで、「マジで面白かった」と呟いた。



発売日変更は、けしていばれた話ではないが


この経験は、仕事の本質を考える転機になった。



そんないきさつで出来上がった、


暮らしと人を書く生業(なりわい)についての


初の仕事エッセイ。



(平凡社)。


Amazon、楽天ブックス予約開始です。



・・・


小さな短大での短い学生自治活動が今も執筆の指針になっていること、


取材に録音機を使わない理由。



おいしいものに「おいしい」という言葉を使うのはダメだ、


「ぽってりとした器」や「気持ちが晴れ渡る」などの常套句を使った文章でお金をもらおうとしなさんな、書き始めと末文が勝負です、と繰り返し説いた編集プロダクションのボスの教え。



⁡できもしないことを大きく言って売り込んだ編集部から、惨めな気持ちで帰ったこと、


肩書き迷子のために大恥をかいたこと、


取材した日がゴールではなく、相手の人生はその先も続くこと。


インタビュー仕事の本質は、書くのではなく、傾聴にあると気づいた日。




書籍企画のコツ、裏テーマの効用、文章訓練のヒント、自営業のお金の話etc.



“暮らしの文章の書き方“を軸に


30年間のトライアンドエラーをまっすぐ綴った。



5月27日発売。


全力を注ぎきりましたので


どうぞよろしくお願いいたします。




装丁 名久井直子さん


口絵撮影 安部まゆみさん

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