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美の極致


『高峰秀子 暮しの流儀』(新潮社)読。昭和の映画を見ていると、この人と原節子と岸恵子と若尾文子の美しさに毎回息を呑む。こんな美しい人がいたなんて!と思うのに、言葉遣いから立ち居振る舞い、仕草までも麗しいからまいってしまう。スクリーンの中だけかと、昔の雑誌のインタビュー記事を読んでも、凛として、正しい日本語で下世話な質問をするレポーターにきっぱり言い返していたりして、またかっこいいんだよなあ。岡田茉莉子や京マチ子も卒倒しそうなほどきれいだ。 高峰秀子は、人気絶頂のあと、家を引き払い、外国で暮らした後、ほとんどの家財道具を処分し、小さな家に移り住んでいる。生涯、脚本家の夫と仲良く暮らし、料理や縫い物や書き物をして過ごした。スローライフブームが来るずっと前から、自分流スローライフを送っていた。生き方もどこまでもかっこいい。原節子さんもスパッと引退して一度も表に出ない。結論。昔の女優は皆男らしい。

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