宝時間
11年毎週続いたアサヒコムの連載が終わるとき、重松清さんとお話しさせていただく機会をいただいた。おない年だがはるか遠くの険しい道を、私なんかよりはるかに重いものを背負って歩く重松さんは、かつて田村章という名前でライターをされていた。その頃の文章がとりわけ好きであり、目標であった。 この日は調子に乗りすぎて失敗だらけだったが、それでも、疲れたり、道に迷いかけたら読み返して、このときの気持ちに戻る。心に刻んだ言葉をとりだして、眺め返す。あの対談はまぎれもなく、私にとって人生の宝みたいな時間だった。 さて、来月新刊が出る。 いつも、あとがきあたりで、あんなに過分な言葉をくださった重松さんに恥じないものになっているか、最後に自問自答をする。今回もそんな振り返り時間にさしかかっている。妥協せず書き抜こう。 ●幸せは「1割の不満」のなかにある http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201301040209.html
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