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救急

火にかけた鍋がコンロからずれているので、直そうと思ったら誤って鍋が傾き、熱湯が左手にかかる。 「あっち!!」と、左手を抑えたら、血が吹き出した。 右手に包丁を持っていたのを忘れていたのだ。 刃先で左親指関節外側をざっくり。 救急病院に行くと、神経に達しているとのことで、手術室で腱の縫合をした。 指の付け根に打つ数本の麻酔注射が痛くていたくて暴れたら 「暴れると、もっと打ち直すことになりますよ」と、(まあまあ)ヤングイケメンドクターに低い声で言われ ぴたりと動きが止まる。子どもか。 縫合が終わり、最初に聞いたのは 「先生、お酒は飲んでもいいですか」。 3人のドクター、一斉に失笑。 「お酒は腱をむくませます。痛くなってもよかったら」。 そんなわけで回復のめどがつくまで禁酒を言い渡される。 パソコン打てないことより辛い・・・。

救急に行く私の後ろ姿を、盗み撮りしていた娘。 「ママ、そこまで手上げなくてもいいから。そんでパニクりすぎだから」

2025 『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(毎日新聞出版) 発売

2024 『そこに定食屋があるかぎり』(扶桑社) 発売

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