top of page

さよなら30D

安部巨匠から譲ってもらったCANON EOS 30Dが「ぼくちん、もう働けません」とお陀仏になり、KISS X4にした。 KISS X5が今年出たところなので、型落ちのX4は激安。 でも、届いたそれが、どうにも泣きたいくらいにボディが軽くておもちゃのような手触りで、箱を開いたとき、しょんぼりしてしまった。 店頭でよくよく触って確認したあと、ネットの底値で買ったのだが。 そんなふうに素材にこだわるのほどの腕もなく、絞りとシャッタースピードを理解したのも最近のことで、 一眼レフビギナーズのために一生懸命軽量化の開発をしたKISS担当の人に罪はないし、 プライベートでなく仕事に使おうという私が全面的に間違っているのだけれど、やっぱりカメラは重い方がいい。 プラスチックみたいなぺこぺこの素材のボディじゃない方が断然いい。 KISSは性能もすこぶるいいのだが、何が違うんだろうと考えると、たぶん「持っているときの緊張感」だ。 1月から写真を使った仕事が始まる。 ド素人が四の五の言っている時間はない。KISSで修行だ、修行。

カメラバッグにレンズと一緒に入れて歩くと、ずしりと重くて腰が痛くなる30D。でもすごく好きだった。息子と娘のサッカー生活をずっとグランドで見守ってくれた。ありがとう、そしてさよならと、最期の写真を携帯で。

2024、5月新刊 『こんなふうに、暮らしと人を書いてきた』(平凡社) 

00:00 / 05:15
Gradient_edited_edited.jpg

© 2024  暮らしの柄 大平一枝  Kazue Oodaira , Design Izumi Saito [rhyme inc.] All rights reserved.  

bottom of page